2011年8月2日火曜日

花火

#twnovel 花火見物に集まってくるのは、なにも生きている者とは限らない。あの大きな音と光の中、草葉の陰でおとなしく寝ていろというのも酷な話だ。死者は群衆に紛れ、夜空に咲く大輪の花に現世の思いを甦らせる。風のない真夏の夜、冷たい風が首筋を撫でたら、彼らにそっと「おかえり」と。

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