2013年4月1日月曜日

ハザマさん

#twnovel ハザマさんは時の狭間に住んでいて、僕の人生の節目に現れてはアドバイスをくれる。そんな彼が浮かない顔で現れた。春の人事異動で僕の担当を外されたという。え、そういうのあるの!? 驚いて詰め寄る僕に、彼はバツが悪そうに顔を背けた。「あの、いや、だからエイプリルフー…」

ハザマさん

#twnovel ハザマさんは時の狭間に住んでいて、僕の人生の節目に現れてはアドバイスをくれる。そんな彼が、僕がお花見中に救急車で運ばれると教えてくれた。大変だ、お花見はやめて家で食べるよ。持ち込むつもりだったお総菜をバッグから出して食べ始めた僕に彼は言った。「それ、傷んでるぞ」

性格を映す鏡

#twnovel 博士が発明した「性格を映す鏡」を婚約中の彼女に向けると、最悪な女が映った。僕は即刻婚約を破棄し彼女を捨てた。鏡に映る僕は素晴らしい人格者、女なんて幾らでも寄ってくるさ。上機嫌の僕を博士が呼び止めた。「説明するまでもないと思うが、鏡は正反対に映る性質を持っておる」

#twnovel 幼い頃、祖父の家で桜を見た。「これは去年の春からずっと咲いてるんだ」置いてけぼりをくって北へ帰れない白鳥と同じで、散り際を誤ってな。祖父を亡くしたのは半年後の秋のはずだが、桜の花がはらりと棺に舞い降りた遠い日の記憶はあながち間違いでもないのではないか、とも思う。

ハザマさん

#twnovel ハザマさんは時の狭間に住んでいて、僕の人生の節目に現れてはアドバイスをくれる。そんな彼がマスクをして現れた。黄砂?PM2.5?それともまさか花粉症とか?これから外出するんだけど、マスクした方がいい?気になって尋ねると彼は台所を指した。「流しの生ゴミが腐ってる」

ハザマさん

#twnovel ハザマさんは時の狭間に住んでいて、僕の人生の節目に現れてはアドバイスをくれる。そんな彼が、明日のバレンタインデーに僕が職場で告白されるという。本当? 誰からだろう? 急にそわそわしてきた僕の隣で、彼は持っていた手帳を二度見した。「済まん、告発されるの間違いだ」