2012年9月30日日曜日

ハザマさん

#twnovel ハザマさんは時の狭間に住んでいて、僕の人生の節目に現れてはアドバイスをくれる。そんな彼が、仕事のミスで落ち込む僕の前に現れた。自分も昔、新聞配達のバイトで取り返しのつかない失敗をよくやったと言う。どんな事?そう尋ねると彼は言った。「明日の新聞を配ってしまってな」

ハザマさんスピンオフ

#twnovel 「まるで別れる事が前提みたいね」過ぎゆく季節を惜しむかのように思い出作りに奔走した彼女との関係は、ほんのひと夏の恋に終わった。寂しげに微笑む彼女の髪を優しく抱きしめる。大丈夫、例え別れたとしても、この夏に戻ればいつでも会えるから。「ハザマさん、考え事?」「いや」

ハザマさん

#twnovel ハザマさんは時の狭間に住んでいて、僕の人生の節目に現れてはアドバイスをくれる。そんな彼が、今日は早く帰宅しろという。傘持って来てないけどまさかゲリラ豪雨が来る?それとも列車事故でダイヤが乱れるとか?色々考えていると、彼は僕のズボンの尻を指して言った。「破れてる」

栄華館

#twnovel 「栄華館」では、人類が歩んだ様々な証が咲き誇っていた。ある者はそれらに羨望の眼差しを向け、またある者は涙ぐんだ。一部の映像に激高した者が係員に連れ去られた後、鑑賞を終えた人々は溜め息と共に帰路に着く。地下深くに作られたシェルター内の、光すら届かぬ冷たい居住区に。

別れの訳

#twnovel 君のせいじゃない。時のせいじゃない。誤解じゃない。嫌いなんかじゃない。言いようのない別れの訳を僕らはずっと探し続けてきた。「思い出にしてもいいですか?」愛しかった唇が哀しみの形に歪む。僕はそれに気付かない振りをした。君は瞳を反らす。僕はもう戻れないと知る。

ハザマさん

#twnovel ハザマさんは時の狭間に住んでいて、僕の人生の節目に現れてはアドバイスをくれる。そんな彼が、慣れない料理に苦戦する僕を物珍しげに見ている。あのね、 節約のために自炊する事にしたんだ。ところで何の用?そう尋ねると彼は言った。「ああ。食中毒起こすからそれを知らせにな」

運動会

#twnovel 運動会は激怒した。必ず、かの迷惑千万なBGMを除かねばならぬと決意した。運動会には音楽がわからぬ。運動会はただの学校行事である。けれども騒音に対しては人一倍に敏感であった。「と言うわけで先生、近所迷惑な運動会は中止にすべきです」「出たくないなら雨乞いでもしとけ」

2012年9月9日日曜日

ハザマさん

#twnovel ハザマさんは時の狭間に住んでいて、僕の人生の節目に現れてはアドバイスをくれる。そんな彼が、遅い夏休みを取って旅行をして来たという。「お土産だ。京都と言えば今も昔もこれだろう」ありがとう。でもハマザさん、この八ツ橋、賞味期限を50年過ぎてる…。

ハザマさんスピンオフ

#twnovel 許されぬ恋と知りながら、彼女の存在は日増しに大きくなっていった。だから「私がおばあさんになっても会える?」なんて言葉すら真に受けた。なのに、実際に老後の彼女に会いに行ったら「なんで貴方は昔のままなのよ!」…女心とやらは分からない。「ハザマさん、考え事?」「いや」

ハザマさん

#twnovel ハザマさんは時の狭間に住んでいて、僕の人生の節目に現れてはアドバイスをくれる。そんな彼がケーキ片手に現れた。誕生日でもないし、どういうこと?「見舞いに決まってるだろ。大丈夫か?」首を傾げる僕と手帳を見比べてから彼は言った。「明日出直す」…待って、超怖いんだけど。