2011年5月31日火曜日

300万円

#twnovel 「知ってる?隣の奥さん、投資詐欺で200万円損したんですって」「300万だよ。お前も気をつけないとな。人を疑うこと知らないから」「何言ってんの。私は大丈夫よ。ところで旅行どこに行くの?」「お前が決めていいよ。予算は300万円な」「ボーナス結構出たのね」「まぁな」

たこ焼き星人

#twnovel たこ焼き星人地球訪問。「地球の皆さんこんにちは。我々はたこ焼きを主食にしているだけで、姿形はあなた方と変わりません。仲良くしましょう」「で、どうして怒って帰っちゃったの?」「手違いで明石焼きでもてなしちゃったらしいんだけど、明石焼き星人とは犬猿の仲なんだって」

知ってた

#twnovel 「ついてきてもらえますか?」黒服の男が手招きをすると景色が一変した。ここは…幼い頃に住んでいた家だ。玄関から父ではない男が出てきた。「彼はお母さんの愛人です。彼はこの後失踪しました」「それで?」「…驚かないのですか?」「だって、俺このオヤジ埋めるとこ見てたもん」

夢占い師

#twnovel 見る夢は全て正夢で、明日来る客に対するアドバイスを夢に見てしまうという夢占い師。話の種に俺も一度みてもらおうと思っていたのだが、予告もなしにある日突然店じまいをしてしまった。噂好きの同僚が教えてくれた。「なんでも、不眠症になる夢を見てしまったらしいよ」

良いニュースと悪いニュース

#twnovel 事故から後の記憶がない。目覚めると病院のベッドの上だった。医者が言った。「良いニュースと悪いニュースがあります」身体が動かない。「良いニュース。一緒に事故に遭われたご友人は助かりました」起き上がろうとしたら魂が身体から離脱した。…悪いニュースは言わなくていいよ。

2011年5月30日月曜日

いい天気

#twnovel 雨の朝、読書中に彼女が訪ねてきた。「天気もいいし、ドライブに行かない?」外はやはり雨。「私はいい天気、と言っただけよ」渋々車を出す。隠れ家風カフェで珈琲片手に読書に没頭していると、いつしか木漏れ日が射してきた。「晴れたね」彼女が口を尖らす。「いい天気、でしょ?」

2011年5月28日土曜日

カメムシキット

#twnovel 「カメムシキット」嫌いな奴の家の外壁に大量のカメムシを張り付かせ、悪臭で嫌がらせをする復讐の道具だ。売り場のおじさんが言った。「繰り返し使えるから経済的だよ。飼い主の家を覚えていてね、嫌がらせが終わったらちゃんと帰ってくる」

理由

#twnovel 祖母が教えてくれた。「お前は田中さん家のシュウ君と佐藤さん家のナミちゃんとの間に出来た子なんだよ」僕は両親の実の子じゃなかったのだ!「ついでに、お前の両親どちらも私と血は繋がってないよ」…家族の毛並みが違う理由がやっと分かった。僕は力の限り叫んだ。「ワン!」

爆発

#twnovel 「芸術は爆発だ」が、「爆発は芸術」ではなかった。その真実に気がつくまで、私は長い時間と多大なる犠牲を払ってきた。人気のない倉庫、放置自転車…。私は今、解体業を営みビルの解体、発破を請け負っている。法に則った爆発は退屈な日常でしかない。真実など知りたくなかった。

生きる意味

#twnovel 何のために自分は生きているのだろう。透明な壁にぶつかる度に、心の中で繰り返し問い続けてきた。「生かされているのよ。私もあんたもね」いつだったか母が言った言葉だ。その母も今はもういない。天を仰ぐと、やたら明るい水面から大きな網が降りてきた。遠くで笑い声が聞こえる。

運命調整局2

#twnovel 「待って下さい。あなたが食べるのは五目ラーメンです」彼は運命調整局の人間と名乗り、定められた運命のレールから外れかけた俺を助けに来たのだという。昼飯に迷っているときにメニューを決めてくれたりするので助かっているが、運命の人にはまだ出会えていない。

運命調整局1

#twnovel 「待って下さい。貴方が乗るのは次の快速です」彼は運命調整局の人間と名乗り、運命のレールから外れかけた俺を助けに来たのだという。「駅を降りたら右手の飲み屋に入って下さい。快速なのでゆっくり飲めるはずです」言われた通り快速に乗って店に入った。これって新手の客引き?

ワタリ君

#twnovel ワタリ君が転校してきてから、僕達落ちこぼれクラスは劇変した。ホームルームでは活発な意見交換がなされ、学年最下位だった学力は一躍トップに躍り出た。そして秋、体育祭総合優勝の余韻の中で、先生がワタリ君の転校を告げた。「黙っててごめんな、俺レンタル移籍だったんだ」

寿命

#twnovel 最近、私は人の寿命が分かるようになった。額に死亡年齢が浮かび上がって見えるのだ。しかし残念なことに自分の寿命は分からない。何度鏡で覗いても何も写らない。「ねぇママ、洗面所にお祖父ちゃんの気配がするんだけど」「まだいるのかもね。49日まではこっちにいるって言うし」

レストラン

#twnovel このレストランにメニューはない。シェフは客の容姿から嗜好を読み取り、どんな客も満足させる料理を提供すると評判だ。僕の前に運ばれてきたのは煮えたぎったマグマと岩石。こんなの食えるか!「申し訳ございません、地球の方でしたか。てっきりペテルギウスあたりの方かと…」

掃除機

#twnovel 何でも吸い込む掃除機で、隣のうるさい犬を吸い込んだ。飼い主が怒鳴り込んできたのでまた吸い込んだ。耳を当てると微かに声が聞こえる。蓋を開けてみると中で飼い主と犬が途方に暮れていた。申し訳ない気持ちになって、隣の家を吸い込んであげた。どうか幸せに暮らしてほしい。

2011年5月26日木曜日

UFO

#twnovel 飛んでいたUFOに手を振ると、驚いたことに降りてきた。「お客さん、どこまで?」タクシーのようだ。乗り込んだ私は機内の写真を撮りまくった。マスコミに売って一躍有名人だ。調子に乗って運転手にカメラを向けた。「勘弁してください。バレるとまずいんですよ、白タクなもんで」

熱心な先生

#twnovel 先生は死後も熱心に教壇に立っている。「お前らの受験が終わるまでは墓場でおちおち寝てもいられん」誰かが言った。「俺たちみんな死んだんだよ。受験なんてもうないの」先生は頭を掻きながら名簿を出す。「出席とるぞ」1番のアオキ君は今日も欠席だ。彼はあの事故で唯一の生存者。

虫の居所

#twnovel 僕には虫の居所を探り当てるチカラがある。機嫌が悪い人の身体の中でのたうち回っている虫をつまんで取り出す。本人も穏やかな気持ちを取り戻せるし、僕だって悪い気はしない。取り出した虫はカゴに入れて飼う。グチったり怒鳴ったりめそめそしたり、鳴き声も人それぞれで楽しい。

2011年5月25日水曜日

飛び降りる男

#twnovel 洗濯物を干しにマンションの屋上に出てみると、男が手摺りを乗り越えるところだった。「やめて!見えないかもしれないけど、この下は畑よ!」私の叫びに彼は振り向いた。「畑だろうと、この高さから飛び降りたら充分死ねるだろ」「違うの!さっきゴーヤを植えたばかりなの!」

引き売り

#twnovel 押し売りが来た。「違います。私は引き売りです」彼は商品を並べ始めた。「説明させて頂けたら2メートル下がります。実演させて頂けたら、さらに2メートル下がります」タイミングを見計らい話を聞いた。トラックが角を曲がったあたりで実演を頼んだ。引き売りが轢き売りになった。

2011年5月24日火曜日

念写カメラ

#twnovel 念写カメラを買った。外見は普通の一眼レフだがシャッターボタンがない。念を送り込むことで写真が撮れるのだ。密かに想いを寄せる女友達をモデルにテスト撮影に誘った。「まだ?一体いつシャッターが降りるの?」ファインダー越しの彼女に気持ちが浮ついてカメラに集中できない。

隣の家

#twnovel 隣の家はひと月も待たずに住人が変わる。こんなに頻繁に越してくるのに、私は退去の様子を見たことがない。彼らはいつの間にか姿を消してしまう。今日も業者のトラックがやって来た。新しい家具を飲み込み、隣の家はまた一回り大きくなった。そろそろ洗濯物が干せなくなりそうだ。

眠気

#twnovel 仕事中だというのに眠くてたまらないので、眠気買い取り店に売りに出した。眠気が大量に発生する時間帯に買い取りし、夜眠れない人に売る商売だ。私はたびたび眠気を売っている。経験上、一番高く売れるのは14時頃だ。それを過ぎると安く買い叩かれる。参考までに。

未来の記憶

#twnovel 未来の記憶を手に入れてしまった。運命にあがらうことなどできるだろうか。それによると私はこれから職場近くのカフェでランチを食べることになっている。彼と2人でだ。「それって遠回しに誘ってる?」「ただの記憶。それと誕生日にもらうプレゼントも決まっているから教えとくね」

街頭演説

#twnovel 街頭演説を聞いた。「頭皮から髪が生えるという誤った認識がはびこっています。真実は逆です。髪から頭が生えるのです。どうかデマに惑わされないで」バカバカしい。手でピストルの形を作り、力説中の男に照準を向ける。「パンッ」呟くと奴はもんどり打って倒れた。真実はこれだよ。

乗客

#twnovel 幸福駅へ向かう登り列車と、不幸駅に向かう下り列車がすれ違う。幸福駅行きの乗客は誰もが生気に欠け、対して不幸駅行きの乗客の表情は一様に明るい。知らぬが仏とはよく言ったものだ。改札を引き返し、見上げた空にため息をつく。降り立った雨の商店街で、僕は傘を広げる。

2011年5月22日日曜日

似顔絵

#twnovel 息子が描いた親子三人の似顔絵が涙に濡れる。「本当のことを話してくれませんか?」愛情の掛け違いが迷いを生み、愛ゆえの行動は自責の念として身を砕く。「そうね、あれは5年前の春だったわ…」「いや、この宿題の絵を本人が描いたのか、おうちの人が描いたのかを聞いてるんです」

2011年5月19日木曜日

冷蔵庫

#twnovel 初めて入った彼女の家は、趣味で集めたという沢山の冷蔵庫で埋め尽くされていた。「これは豚肉用、それが牛肉用で向こうが鶏肉用。そして…」奥の大きな冷蔵庫が唸りを上げる。「あれが貴方用」僕は心臓が止まるほど驚いた。「何勘違いしてるの、貴方が自由に使っていいって意味よ」

人生を返品

#twnovel 夕食後にリビングで家族と寛いでいると男が尋ねてきた。俺から買った人生を返品したいという。意味が分からない。ハイハイ分かりましたと適当に答えて扉を閉めた。四畳半の部屋に戻って伸びたカップラーメンを啜る。独り身は寂しい。こんな人生を欲しがる奴なんているものか。

同窓会

#twnovel 若い頃受験に失敗した学校から、同窓会の案内が届いた。会場に足を運ぶが、見知った顔はない。「そりゃそうさ。枝分かれしたパラレルワールドのひとつなんだから」親しげに話し掛けてくる見知らぬ人々との歓談の輪。共に送れたかもしれない青春の残り香が、涙腺の奥で小さく波打つ。

ゴーヤ星人襲来

#twnovel ゴーヤ星人が日本に襲来。暖かくなるこれからの時期は彼らにとって勢力を拡大する絶好の機会。地球産のゴーヤに紛れて勢力を拡大し、各家庭の軒先で緑のカーテンとして地球侵略を進めていくのだ。本物のゴーヤと違い、成長した実が人間を襲うこともあるので気をつけねばならない。

駄菓子屋

#twnovel 実家近くの駄菓子屋は店の奥がゲームコーナーになっていて、昼間でも暗いその空間は子供心には異世界に思えた。30年振りに帰った故郷、その店はまだあった。奥に向かうと当時の姿のままのおばさんに止められた。「小学生はダメよ」意味が分からず、僕はただおばさんを見上げる。

#twnovel 憂鬱な月曜日を飛ばしてしまう画期的な薬を発明した。日曜日の夜、就寝前に一錠飲むだけで、次に目が覚めたときには火曜日の朝になっている。ときどき永遠に目覚めない人がいることが、商品化に向けた今後の課題だ。

2011年5月14日土曜日

洞窟の奥

#twnovel 小学校の担任の先生はタコに似ていて、洞窟に住む変わり者だった。先生の留守中、僕たちは洞窟の奥を探検した。しばらく歩くと荒野に抜け、僕たちはハンカチを結びつけた木の棒を立てて帰った。あの場所がどこなのか今も分からない。ただ僕は、火星だったんじゃないかと思っている。

紙芝居

#twnovel 僕は公園で子供達を相手に紙芝居を読んでいる。熱心に聞いてくれる子もいれば、無関心な子、悪戯を仕掛けてくる子だっている。でも読み聞かせた後は、集まってくれた子供達を分け隔てなく絵の中に招待するんだ。みんな喜んでくれる。笛の音が聞こえるって?気のせいだよ、きっと。

麻婆豆腐に人権を

#twnovel 「麻婆豆腐に人権を!」面倒なのが来た。曰く、大豆は畑の肉であり、豚肉もまた肉である。唐辛子には子、麻婆豆腐には婆という文字が含まれている。ゆえに、血肉を伴った人としての権利を認めるべきである。断るのも面倒でつい署名した。後日、謝礼に麻婆豆腐の素が送られて来た。

モリゾウさん

#twnovel モリゾウさんは浜辺で漁師をしている。「海にいる森造なんて変なのー」囃し立てる子供達を彼は陽気にあしらう。「もう少し大きくなったら本当の名前を教えてやるよ」時は過ぎ、子供達は街へ出て行きモリゾウさんのことをすっかり忘れてしまった。今も銛造さんは子供達を待っている。

バスを降りると

#twnovel 促されるままにバスを降りると波打ち際に出た。「ここから歩きになります。バスは海の中を走れませんからね」添乗員のお兄さんが爽やかに告げる。そりゃそうだ。妙に納得した僕は彼に幼馴染みの面影を重ね、無意識に手を合わせていた。「遅いよ」彼は笑って僕を海に引きずり込んだ。

2011年5月10日火曜日

自転車

#twnovel 乗ると願いが叶うという幸せの黄色い自転車。意気揚々と乗り込んだ友人が町内を一周して戻ってきた。何だか様子がおかしい。「助けてくれ、降りれないんだ。サドルがケツと一体化したみたいで離れない」僕は説明書を読み返した。「願いが叶うまで降りることはできません」

変わった棺桶

#twnovel 変わった棺桶があるというので工場見学に行ってみた。中で縦に区切られた幅広の2人用棺桶がそれだという。担当者がボヤいていた。「ほら、昔プロポーズの言葉で流行ったでしょ?『同じお墓に入ってくれ』ってやつ。それをヒントに作ったんだけど、どういうわけか売れなくてねぇ」

浜岡さん

#twnovel 浜岡さんが学校に来なくなった。彼女は気難しがりやだけど優秀で、クラスの中心人物だった。寂しくなるけど仕方ない。以前から彼女の家が危ないという噂はあった。無理に出てきて癇癪を起こされても困るし。僕たちはこれから、彼女がいない間にすべき役割を考えなければならない。

訪問セールス

#twnovel 訪問セールスが来た。「ご用命ありがとうございます」待て待て。知らないし呼んでもねぇよ。俺の抗議を無視して奴は品物の説明を始める。俺はキレた。「うるせぇ。おととい来やがれ」奴はきょとんとして言った。「ですから、こうして参った訳ですが…」あんた明後日も来るの?

ナカムラ君

#twnovel うどんを鼻からすする芸で、ナカムラ君はクラスの人気者だった。久しぶりにあの芸を見れるのを楽しみにしていたのに、同窓会の懐かしい顔ぶれの中に彼の姿は見えない。がっかりしていると友人の一人が言った。「来るわけないだろ。あんな酷いイジメを受けてたんだから」

怪談・お題「夜祭/振り払う/木箱」

#kaidan_odai 祭りの雑踏から横道に逸れた。苔むした鳥居の先は暗闇に包まれている。面白い。懐中電灯をかざし奥へ進む。小さな祠の前で木箱にコインを投げ入れ、帰ろうとすると袖を引かれた。俺、何か失礼なことしたかな?「ソーリー」呟いて振り払った。分からんね、日本のシキタリは。


hiro_kinakoさんは「夜祭」で 登場人物が「振り払う」、「木箱」という単語を使った怪談を考えてください。 http://shindanmaker.com/94450 #kaidan_odai

2011年5月7日土曜日

世界

#twnovel 君なしで世界は成り立たない。君という存在の周りに世界が形作られているんだ。君が席を立てば、僕や彼女、この空間そのものが存在しなくなる。テーブルの上に置かれていたものも含めてね。「彼は何を言ってるの?」「俺がトイレに行ってる間に、俺の焼いてた肉を食った言い訳」

坊主

#twnovel 寝癖を直していると奴に笑われた。「アンタ坊主じゃん」つむじの辺りが反ってんだよ。本人は気になるんだ。お前こそだらしない格好をどうにかしろ。「いいじゃん、誰も俺のこと見てねぇんだろ」俺が見てんだよ。誰のために毎日お経を上げてると思ってるんだ。さっさと成仏しやがれ。

2011年5月6日金曜日

思い通りの夢

#twnovel 思い通りの夢を見られる機械を手に入れた。映画のヒロインになるのも、憧れの彼と結ばれる夢も思うがまま。私は毎晩様々な夢を楽しんだ。そんなある日、目覚めると枕元に1枚の請求書が残されていた。…しまった。ディズニー関係の夢は別途ライセンス料が必要だってことを忘れてた。

独り言

#twnovel 隣席の同僚が絶えず呟く独り言が気持ち悪い。思い切って上司に相談してみた。「あれな、母星と通信してるらしいんだ」いきなりおかしな方向に話が飛んだ。「仕事中の携帯電話は禁止されているが、脳内通信を禁止する規程はないんだ。大目に見てやってくれ」本気で転職を考えた。

ストレス

#twnovel 適度なストレスは人間を成長させる糧となる。毎日、人々にストレスを配って歩くのが僕の仕事だ。しかし不況の煽りを受けて業績はガタ落ち、ボーナスは現物支給と決まった。新入社員の僕も抱えきれないストレスを受け取った。明日から会社に行きたくない。

2011年5月2日月曜日

煩わしい

#twnovel 煩わしい世の中に絶望し自ら命を絶ったはずなのに、気がつくと僕は病院のベッドにいた。喜ぶ家族を落ち着かせて医者が言う。「正直、蘇生する確率は厳しいものがありました。本人の意思次第だと」僕は力なく首を振る。「いえ。書類不備で帰されたんです」全く、あの世も煩わしい。