2012年2月7日火曜日

ハザマさん

#twnovel ハザマさんは時の狭間に住んでいて、僕の人生の節目に現れてはアドバイスをくれる。そんな彼に、僕はチョコを幾つ貰えるのか聞いてみた。「肉親からのは勘定に入れるのか?」やめてよ、唯一貰ったのが母親からなんて。彼は少し黙った後、続けた。「分かった。特別に俺からもやる」

好み

#twnovel 放課後、隣のクラスの女子数人に呼び出された。顔と名前すら一致しない彼女達から好みなどを聞かれて戸惑いまくりの俺。「バカだなお前。それバレンタインの下準備だぞ」友人の言葉で合点がいった。「で、何が好きって答えた?」「…普通にチャーハンとか」「…困ってるぜ、きっと」

2012年2月6日月曜日

ハザマさん

#twnovel ハザマさんは時の狭間に住んでいて、僕の人生の節目に現れてはアドバイスをくれる。そんな彼に、僕は将来幸せな人生を送れるのだろうかと聞いてみた。彼は、僕の息子の言葉で察してくれと前置きしてから言った。「ありがとう。いいお葬式でした」…先、行きすぎだよハザマさん。

打開策

#twnovel いつもと違う道を帰ってみる。最近開店した総菜屋に寄り、書店で新刊を買う。ふとした折に覚える新鮮な感覚も、次の瞬間には色褪せている。退屈で死にたくなる。「ここが火星だと思ってみたらどう?」女友達がからかう。よせやい、火星は新婚旅行先にとってあるんだ。急かすなよ。

やる気

#twnovel 「やる気出します」の幟を立てた店に入ってみた。「こちらです」店員がカウンターに小瓶を置く。これを飲めばやる気が出るのだろうか。試しに買ってみることにした。「こちらに署名をお願いします」『私はやる気を出します』の誓約書を持たされ、僕は店を出た。何か騙された気分だ。

主任、

#twnovel 自分が死ぬときの気持ちを想像したことありますか?きっと怖いでしょうね。でも、同時に今まで背負ってきた人としてのあらゆる責任から解放されることを思うと、死ぬのも悪くないかなって思うんです。「だから主任、死ぬ気で仕事を取って来いとは、僕にとってそういう意味ですから」

2012年2月3日金曜日

マメマキ

#twnovel かつて世界中で悪事の限りを尽くしてきた「鬼」ですが、近世、人間によるパンツ目的の乱獲の末に絶滅してしまいました。現在、東洋の一部の国に残っている「マメマキ」の儀式は、身勝手な人間によって絶滅に追い込まれたそんな鬼達に対する懺悔の意味が込められていると言います。

恵方巻札

#twnovel お昼のニュースです。恵方巻と同じ福が得られる「恵方巻札」が物議を醸しています。これは一口サイズの細巻きとセットになったもので、これまで量が多すぎると敬遠してきた女性達の間で評判となっています。一方で、通常の恵方巻と同価格であることに対し疑問の声も挙がっており…

決め手

#twnovel 町内でも有名な仲良し老夫婦に夫婦円満の秘訣を聞いた。ご結婚に至った決め手は何ですか? ご主人が笑って答えてくれた。「確かこの時期だったかのう。節分でもしようか?とワシが豆を持って行ったら婆さんの奴、それを接吻と聞き違えてなぁ」お茶を運んできた奥様が頬を赤らめた。

召し上がる方

#twnovel レトルト食品のパッケージを眺めていたら「召し上がる方」と書かれていた。てっきり「召し上がり方」だと思っていたが違ったようだ。読み進めていくと「召し上がらない方」の項目を見つけた。「召し上がらない理由を理論武装の上、下記の住所までお越しください」何だか怖くなった。

2012年2月2日木曜日

三文の徳

#twnovel 「早起きは三文の徳と言いますが、現在の貨幣価値に換算すると幾らになるのでしょうか?」「およそ100円程度です」「それでは、早起きによるデメリットはありますか?」「野生の熊の冬期間の習性からお察しください」「分かりました。明日からの行動指針の参考にさせて頂きます」

雪

#twnovel 連日降り続いていた雪は、居酒屋を出る頃にようやくやんだ。明日も待ち受ける雪かきを思うと嫌になる。酔いに任せ、俺は夜空に叫んだ。「降らせてる奴いい加減にしろよ。恨みでもあるのか〜」お前バカじゃねーのと笑いかけた同僚の表情が固まる。見上げた月に雪が積もっていた。

2012年2月1日水曜日

失踪

#twnovel 彼の失踪は大きく報じられました。年老いた母親や支援者達は懸命に探しましたが足取りがつかめません。金銭トラブルや拉致の可能性も取り沙汰されましたが、捜索は行き詰まってしまいました。カメの甲羅に乗って海へ潜っていったという子供達の証言は、初期の段階で無視されました。

鬼退治

#twnovel 「俺、鬼退治に行きたいんだけど」それを聞いたおじいさんは首を振りました。「桃太郎や、鬼ヶ島の入園料がいくらすると思っているんだ。馬鹿なことを言うな」おばあさんが提案しました。「ちょうど鬼ヶ島でキャストの募集をしているよ。そろそろお前も働いて私達を楽にさせとくれ」

ゼッコウアメ

#twnovel 親友にゼッコウアメを渡された。「お前とは絶交だ。口も利きたくない」ほろ苦さが口の中に広がっていく。どうしようもない後悔の念が沸き上がってくるが、アメを舐めているので口が利けない。こぼれ落ちた涙を見た親友が目を背けた。「分かったよ、じゃあまたな」甘い後味が残った。