本日投稿しました。5ヶ月振りです。
リーダーズ・ストーリィは今回で33作目の投稿です。
いつもと同じ銘柄の封筒を使い、いつもの書式で、いつもの郵便局から、いつも通り速達で。
毎回決まったルーチン。ゲン担ぎにも程があります(笑)。
今回の投稿分を足すと、今までの投稿原稿量が400字詰め原稿用紙換算で200枚に達しました。
33本も書いて200枚というのが、いかにもショートショートですね。
2011年2月28日月曜日
リフォーム
#twnovel 「○○市の空き家で、リフォーム中の作業員が遺体を発見したそうだ。うつぶせの状態で、既に白骨化していたらしい」「孤独死ってやつか」「解明は難しそうだぜ。何せ、死後2万年程度経過していたそうだから」「その手の作業、リフォームじゃなくて復元って言わないか?」
2011年2月27日日曜日
人選
#twnovel 「部長、今回のプロジェクトの人選、再考願えないでしょうか?」「何か問題でもあるのかい?」「私、あの人達と一緒に仕事はできません」は、はくしょん。「相性が悪いのか」「相性というより体質です」ずるずる。「杉山、杉村、杉田、杉崎、大杉……体質ねぇ」チーン。
2011年2月24日木曜日
春が来た
#twnovel 春が来た。久しぶり、と言って私は彼を招き入れる。地球上を旅してまわったこの一年間の彼の話を、暖かいそよ風を身体中に感じながら私は受け止める。やっぱり彼が一番だ。別れてから付き合った3人のことは、もう遠い思い出。新しい服に身を包み、私は新しい一歩を踏み出す。
金食い虫
#twnovel 友人が飼っていた金食い虫が卵を産んで増えたので、軽い気持ちで僕も飼育を始めてみた。お金や貴金属類を好んで食べる。たちまち家計は破綻した。やがて成虫になり卵を産み、僕は引き取り手を探しに奔走した。虫はいなくなったが、僕は友人を失った上に一文無しだ。
身代わり君
#twnovel 何でも代わってくれるロボット『身代わり君β』。仕事も人付き合いも、嫌なことは全てこの一台に。やがて遊ぶことにも飽きた人々は、人生までも身代わりさせた。『身代わりくんsp1』がリリースされた今日現在、地球上に人間の姿は既になく、世界は身代わり君達で溢れている。
話の種
#twnovel その売れない作家は、救いを求めて話の種を買いに行った。種はどれも高価で手が出ない。見かねた店主が言った。「規格外の半端物なんかどうです?何が育つかはお楽しみ」作家は早速話の種をまいた。やがて芽が出て物語が進み出したが、どうもおちつかない。
2011年2月22日火曜日
2011年2月21日月曜日
味
#twnovel 山で巨大な熊に遭遇した私は、ここで死ぬのだと観念した。病気、借金、一家離散。不幸続きの人生にふさわしい最期ではないか。しかし熊は私の不幸を舐め尽くすと満足気に去って行った。その後、私の人生は軌道に乗った。なるほど。人の不幸は蜜の味ということらしい。
ストレス
#twnovel 溜まったストレスの処分に困り、病院で診てもらった。「このシールをストレスに貼って、決められた日にゴミ集積所に出して下さい」僕の心を見透かすように医者が念を押す。「くれぐれも前日のうちに出さないように。猫やカラスに荒らされます」荒らされたらどうなるんだろう。
長者
#twnovel 庶民の夢、ジャンボ宝くじの当選金を相当額分の肉まんで受け取る方法が用意された。財布に入れっぱなしの末等をコンビニで肉まんに換えられるので、寒い季節などは重宝する。事前に連絡をすれば高額当選金を肉まんで受け取ることも可能だ。彼らは俗に「肉まん長者」と呼ばれる。
2011年2月20日日曜日
『セラエノの小さな物語』紹介文
公開中のアンソロジー『セラエノの小さな物語』に収録されている拙作を、執筆者の一人である齊藤想さんのブログにて紹介していただきました。
http://takeaction.blog.so-net.ne.jp/2011-02-18
ご覧頂ければ幸いです。
http://takeaction.blog.so-net.ne.jp/2011-02-18
ご覧頂ければ幸いです。
色々コンテスト
#twnovel 海苔人間コンテストや檻人間コンテスト、ソリ人間コンテスト、森人間コンテストなどが町おこしの一環として各地で開催され、概ね好評を博している。なお、ロリ人間コンテストの出場者は要注意人物として警察にマークされるので覚悟が必要だ。
海苔人間コンテスト
#twnovel 海苔人間コンテスト。ある者は海中に漂うさまを擬態し、またある者は自らを板海苔に見立て巨大なおにぎりに巻き付く。距離よりも観客受けを狙ったものが多いのが特徴だ。海苔なのに必ず高台から飛び立たねばならないのは、この大会が鳥人間コンテストだった頃の名残らしい。
2011年2月18日金曜日
味噌汁星人の襲来(完結編)
#twnovel 人類は種の存続を賭けて応戦し、味噌汁星人による危機は去った。しかしまだ残党が潜んでいるかもしれない。味噌汁は厳しく規制され、所持するだけで処罰の対象とされた。「旦那、いい味噌汁がありますぜ」薄暗い路地裏で男が僕に囁く。非合法組織、味噌汁秘密倶楽部の客引きだ。
味噌汁星人の襲来(後編)
#twnovel 飛来した味噌汁星人に扇動され、日本中の味噌汁が決起した。今こそ自由を勝ち取ろう、今日が味噌汁のインデペンデンス・デイ。政府は対応に追われ、生産工場や小売店などに混乱が見られた。「そんなお祝いの日なので、夕食は味噌汁抜きです」「何で味噌汁の肩を持つんだよ」
味噌汁星人の襲来(前編)
#twnovel 我々味噌汁星人は地球の代表政府に対し、正式な協定締結を前提とした交渉の場と、一部の島国で日々殺戮を受けている同胞達の即時解放を要求する。「ねぇ、味噌汁と味噌汁星人の違いって何?」「放っておくと冷めちゃうのが味噌汁で、いつまでも温かいのが味噌汁星人」
離脱届け
#twnovel 五臓六腑が離脱届けを提出してきた。「『摂生』の誓いは何だったのか?連日の暴飲暴食は公約違反だ!」俺は受理を拒否。しかし彼らは俺の体には留まるという。「同じ摂生派の彼女と連携する。我々は先遣隊だ。2回生臓器もいる」やがて脳も同調し、俺は彼女にプロポーズした。
2011年2月17日木曜日
完全自動洗濯機
#twnovel 洗濯、乾燥だけでなく、衣類の取り出しと畳んでタンスにしまうところまでやってくれる完全自動洗濯機が登場した。120%主婦目線が売り文句だったが、発売後まもなくしてリコールされた。「原因は?」「親父の下着を一緒に入れると洗ってくれないんだよ」
全自動無人タクシー
#twnovel 念じるだけでルートも行き先も設定できる全自動無人タクシー。懐かしい街に降り立った僕は、学生時代の下宿までの道のりを想い描き目を閉じた。駅前通りを抜け、あの角を曲がって橋を渡り…。「最近多いなぁ。ナビより記憶を優先した事故」引き揚げに立ち会った警官がぼやく。
目覚めると
#twnovel 目覚めると朝になっていた。ニュースを見ながら朝食を摂り、身支度をして家を出る。午前の仕事はいつまで経っても終わらず、あまりの空腹に倒れそうになる。テレビは延々と朝のニュースを繰り返している。早く昼になりたい。
無料です
#twnovel この世界で暮らすための基本料は無料です。誰でも一定レベルの衣食住を享受できます。それ以上のものを望んだとき、はじめて料金が発生する仕組みになっています。卒業したら職に就きます。無給です。楽な仕事は有料となります。必要なお金はスポンサーサイトに登録して楽々ゲット。
アイディアが浮かばない
#twnovel 一緒に泳いでいたアイディアが一向に浮かんでこないので心配になって通報した。レスキューによる捜索の結果、奥底でしがらみに縛られていることが判明。「しがらみを取り除きますか?」熟考の末、僕は断る。自力で浮上できなければ、きっとまた同じ事を繰り返すことになる。
2011年2月16日水曜日
2011年2月15日火曜日
揮発脳
#twnovel 私の脳は揮発脳。あなたと共につくる思い出も、何もかもすっかり忘れてしまうの。涙を浮かべる彼女に僕は優しく囁く。大丈夫、僕が全て覚えていてあげるから。本当?約束よ。心配するなって、どうせ君は覚えちゃいないんだから。
こちらを見ている
#twnovel 通勤時にバスの中から景色を眺めていると、毎朝決まってビルの隙間からこちらを見ている人がいる。幽霊じゃないのかと同僚に笑われ、僕は降りて確かめてみることにした。そこには誰もいなかった。奥に足を踏み入れると背後で車の列が動き出した。バスの中から僕がこちらを見ていた。
当たり
#twnovel 自販機で珈琲を買ったら当たりが出た。再び灯るランプを呆然と眺め、私は無意識にボタンを押していた。人生最後の1本を楽しもうと心に決めていたのに、掌の中の温かい珈琲は2本になった。1本目を飲み干すとバスが来た。ぬくもりの残るもう1本を握りしめ、私は帰路に就く。
2011年2月14日月曜日
セラエノの小さな物語 〜小説現代、S-Fマガジン常連掲載者5人の送るショートショート集〜
講談社の小説現代「ショートショートコンテスト」、および早川書房のS-Fマガジン「リーダーズ・ストーリィ」の常連掲載者によるショートショート・アンソロジーが公開されました。無料です。ぜひご覧下さい。
http://p.booklog.jp/book/20147
参加者のひとりである齊藤想さんによる紹介文はこちらです。併せてどうぞ。
http://takeaction.blog.so-net.ne.jp/2011-02-12
記念日
#twnovel 誕生日、付き合い始めた日、結婚記念日…数ある記念日を覚えやすい日にまとめるサービスが登場した。つい忘れてしまいがちな男性の間で特に人気らしい。私は彼をその店に連れて行った。「人気があるのは12月24日とか2月14日ですか?」「いえ、ダントツで2月29日です」
感情
#twnovel 軒先に並べて吊しておいたこの先1年分の感情を、ふと目を離した隙にカラスに全て食べられてしまった。それ以来、家の周りは喜怒哀楽豊かなカラス達で賑やかだ。悲しみに暮れたカラスがたまに僕の元にやってくるが、感情を失った僕には彼に掛けてあげる言葉が見つからない。
2011年2月12日土曜日
カレーパン
#twnovel 麗しのマダムを夢見ていたのにうっかり加齢パンを食べ、私はお婆さんになってしまった。慌てて華麗パンを口にして老貴婦人になることができた。それから私は若い子に青春の大切さを説いてまわっている。彼女らを見る私の両目が右に寄っているのは間違えて鰈パンを食べたせいだ。
バイキング
#twnovel 朝食には人生をバイキング形式でいただく。中流家庭に生まれ、公立校で平凡に過ごす。クラブ活動は補欠でいい。中の上ランクの大学を経て中小企業に拾われる。幼なじみと再会し結婚するのが人生最大のイベント。定年後に妻を亡くした後はひっそり暮らそう。どうせ昼食までの人生だ。
悲しみの種
#twnovel 悲しみの種を蒔いたら失意という名の芽が生えた。絶望の水をせっせとやるとやがて未練の花が咲きだした。別離の実を収穫し後悔で味付けすると、そこはかとなく忘却を名乗るソムリエが講釈をたれた。そして僕はまた悲しみの種を蒔く。
2011年2月10日木曜日
貝
発見されたその貝はホタテによく似た形をしていた。調査の結果新種と認定され、その見た目と発見者である照井さんの名前を組み合わせて「ホテル貝」と名付けられた。何だか卑猥な響きがある。 #twnovel
化石
遺骨を化石風に加工して埋葬するサービスがこの時代にもやってきた。未来人へのドッキリとして骨格を大きく引き伸ばすオプションが選べる。担当技師は以前恐竜を相手にしていたと言う。サンプルで見せられた恐竜の化石が元はちっぽけな小動物だったと知って、僕は少しガッカリした。 #twnovel
牛丼屋
「おまえら牛丼屋はどこが入りやすい?」「僕は吉野家かな。定番の味って感じがするし」「私は松屋ね。食券制だから女性でも気楽に入れる。あなたは?」「断然すき家だろう。深夜でも店員が一人しかいないし、レジも一箇所に集中しているからな」「そっちかよ!」 #twnovel
小学校
息子が小学校になった。とても家には入れないので、私達夫婦は毎日息子のもとに通った。春になるとお友達が大勢入学してきた。6年が過ぎ、大きく成長したお友達は皆卒業していったが、息子は相変わらず小学校のままだ。 #twnovel
バレンタインデー
バレンタインデーはメールも電話にも出ずに家に籠もる。誰からもチョコを貰えないのは女の子が俺に会うことができないからだ。そう考えることによって、俺の自尊心は辛うじて保たれる。「じゃあ次は、返す相手もいないのにホワイトデー売り場をウロつく理由を聞かせてもらおうか」 #twnovel
祖父の血
私の血はワインが流れているの、と称する女優のファンだった酒豪の祖父は、常日頃から自分の血は日本酒が流れていると語っていた。祖父が倒れたその晩、僕は点滴の中身を日本酒に入れ替えた。医師の処置も虚しく祖父は亡くなったが、僕は満足している。祖父も喜んでいるに違いない。 #twnovel
2011年2月9日水曜日
Twitter小説はじめました
Twitter小説、ついのべなるものをはじめてみました。
短くても1作書くのには1アイディア必要なわけで、短時間で書けるとはいえ幾つも書き上げるには相当なエネルギーが要るのではと躊躇していたのですが、いざ書いてみるといい気分転換になるんですね。
書いたものは随時blogにアップします。
更新も滞りがちですので、賑やかしにでもなれば。
短くても1作書くのには1アイディア必要なわけで、短時間で書けるとはいえ幾つも書き上げるには相当なエネルギーが要るのではと躊躇していたのですが、いざ書いてみるといい気分転換になるんですね。
書いたものは随時blogにアップします。
更新も滞りがちですので、賑やかしにでもなれば。
買わなかったことに
過去に買った物を買わなかったことにするサービスが開始された。金に困っていた僕は学生時代に夢中になっていたギターと着なくなった服を買わなかったことにした。買った際に支払った金が戻ってきたが、同時に僕は学生時代の思い出と友達を失った。服を買いに行く為に着る服もない。 #twnovel
10円ランチ
10円ランチの店が登場した。デフレ競争もここまできたかと感心したが、食べてみた同僚に聞くとメニューは1種類しかないらしい。同僚は毎日せっせとその店に足を運ぶ。いくら何でも飽きるだろうと思って別の店のランチに誘ったが断られた。「悪い、2年縛りなんだよ」 #twnovel
水槽
水槽から出してくれと金魚に頼まれた。無理な相談だと断ると、お前も同じ目に遭わせてやると悪態をつかれ、外の景色が水中に変わった。その後も相変わらず僕は金魚の世話をしている。元々引きこもりの僕の生活にさしたる変化はない。ときどき天井からふりかけが降ってくるくらいだ。 #twnovel
定理
自分の言い分を相手に納得させる定理が発見された。今まで口べたで損な人生を送っていた自分にも、これからは明るい未来が開けるに違いない。意気揚々と出社した僕は上司からリストラを宣告され、婚約中の彼女には振られ、親からは勘当された。 #twnovel
心残り
僕には心残りがあった。卒業までに彼女に告白しなければ。意を決し深夜の校庭に向かう。桜の木の下を優しく掘り出し、あの日と同じ場所にいる彼女にありったけの勇気を振り絞る「ずっと好きでした」。卒業式、生徒会長の僕は彼女の遺影と共に入場した。僕たちは一緒に卒業したのだ。 #twnovel
雪
いつまでも降り止まない雪への対抗策として、雪をなかったことにする薬が開発された。飲むと視界に入る雪が認識できなくなる。豪雪地帯に住む人々はこぞって服用し街は穏やかな日常を取り戻したが、今度はスリップ事故や家屋の倒壊が多発した。その原因は誰にも分からない。 #twnovel
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